金柑と紅茶のパウンドケーキ

1月といえば新しい1年の始まり。初詣や初日の出などに出向き、新たに新鮮な気持ちで過ごす方も多いと思います。

お正月や新年会、成人式などおめでたいイベントもたくさんありますね。

また、新年は家族が揃って過ごす時間も多いですよね。そんな時こそみんなが喜ぶ紅茶スイーツはいかがでしょうか?

この季節に美味しい、爽やかな風味の金柑と紅茶を合わせたパウンドケーキをご紹介します。家族のだんらんが深まる紅茶スイーツで、ほっこりティータイムをお楽しみください♪

金柑は食べる薬?うれしい栄養素と効能

おせち料理の縁起物として使われる果実でも有名な金柑。見た目は小さなみかんのようですが、どんな果実かご存知ですか?

小粒で果肉も少なく、どうやって食べたらいいか分からないという方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの季節に嬉しい栄養素がたくさん含まれています。

そんな栄養の宝庫でもある金柑について詳しくご紹介します。

 

金柑って、どんな食べ物?

金柑(きんかん)は、ミカン科キンカン属の木になる果実です。一般的には柑橘類として扱われていますが、柑橘属ではなく独自の金柑属という分類になります。

みかんよりも小さく、最大の特徴は皮ごと食べられること。種は硬いのでさすがに食べられませんが、柔らかい苦味と甘み、爽やかな香りがとても美味しいです。

金柑は早くて11月頃から収穫が始まりますが、最も美味しくたくさん出回る旬の時期は1月から3月上旬までとなります。

スーパーや八百屋さんなどで見かけたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。

 

金柑の栄養素と効能について

金柑の栄養素の中で代表的なものがビタミンCです。ビタミンCといえばレモンが有名ですが、金柑はそのレモンと匹敵する量のビタミンC含有量をほこります。

ビタミンCは抗酸化作用があり、免疫力を高め血流を改善する働きがあります。またコラーゲンの生成に必要な成分でもあり、皮膚や粘膜を強くする効果もあるといわれています。

そんなビタミンCの吸収を高めるのに役立つのが「ヘスペリジン」というポリフェノールの一種ですが、実は金柑の皮に多く含まれている成分です。

皮ごと食べる金柑は、ヘスペリジンの相乗効果でビタミンCの吸収率がより高くなり、身体に嬉しい効果や効能が期待できます。

まさに、免疫力が低下しがちな寒い季節の風邪予防にぴったりの食べ物ですね。

 

金柑を食べる時に気をつけたいこと

栄養満点の金柑ですが、たくさん食べるのには気をつけましょう。身体に良いといわれている食べ物も、やはり適量を過ぎると害が出てしまうものです。

金柑を食べ過ぎると、主に唇や口腔内が痺れたりピリピリしたりすることがあります。これは金柑の皮に含まれるテレピンという成分によって引き起こされる症状で、人によって個人差があります。

とはいえ、テレピンは有害な成分ではないので、症状が現れても食べるのを止めれば自然に治ります。ちょっと口の中がピリっとしたら、食べる量を調節しましょう。

ちなみにテレピンは揮発性の成分のため、ジャムやコンポートのように加熱した場合は症状も現れません。

どちらにせよ、適量を美味しく毎日食べるのがおすすめです。

 

おもてなしにも!金柑と紅茶のパウンドケーキ:レシピ

旬の金柑をコンポートにして、たっぷりとバター生地に練り込んだ爽やかな味わいのパウンドケーキです。

このレシピはベーキングパウダーを入れないので、しっとりした口どけのよい仕上がりになります。

焼き立てよりも時間が経った方が味も馴染み美味しくなるので、お正月にゆっくりと味わってみてくださいね。おもてなしの時にもおすすめの焼き菓子です。

 

材料

[12㎝パウンドケーキ型]

  • 無塩バター/50g
  • 砂糖/45g
  • 塩/ひとつまみ
  • 全卵/1個(約50g)
  • 薄力粉/50g
  • linktea夏摘み紅茶/2g(細かく粉砕して使用)
  • 金柑コンポート/50g

<金柑のコンポート:作りやすい分量>

  • 金柑/全量
  • 砂糖/金柑の半量
  • 水/金柑の半量
  • レモン汁/金柑200gに対して小さじ1~2位

<仕上げ用アイシング:お好みで>

  • 粉糖/25g
  • レモン汁/小さじ1

作り方

  1. 金柑のコンポートを作る。金柑をよく洗い、水気をふき取る。半分に切って、竹串等で種を取り除き、細かく刻む。
  2. 手鍋に金柑とかぶる位の水をいれ火にかける。沸騰したら一度茹でこぼし、砂糖と水を加え再度火にかける。沸騰してアクが出たらすくって弱火にし、落とし蓋をして10分ほど煮る。煮沸した保存容器にシロップごと移し、冷めたら冷蔵庫で保存する。
  3. パウンドケーキの生地を作る。ボウルに常温に戻した無塩バターを入れ、ゴムベラで柔らかくする。ハンドミキサーに替えて、砂糖を加え白っぽくなるまでよく泡立てる。ほぐした全卵を3回に分けて加え、その都度しっかり混ぜ合わせる。シロップをきった金柑コンポート、粉砕した茶葉を加える。
  4. 薄力粉をふるいながら加え、ゴムベラで切るように混ぜ合わせる。生地につやが出てきたら型紙を敷いたパウンド型に流し、中央をヘラでへこませる。(生地の火通りを良くするため)170℃に予熱したオーブンで20~25分ほど焼成する。竹串をさして生地が付かなければ焼き上がり。
  5. オーブンから出したらすぐに15㎝くらいの高さから落としショックを与える。(焼き縮みを防ぐため)型から外して、ラップで包み粗熱をとる。
  6. 仕上げ用アイシングを作る。小さな器に粉糖を入れ、レモン汁を加える。スプーンでよく混ぜて出来上がり。冷めたパウンドケーキの表面にかけて、上に金柑コンポートを飾る。

POINT

  • 今回はミニパウンド型で作りました。15㎝のパウンド型で作る場合は分量を2倍で作ってみて下さい。
  • 全卵は一度に加えてしまうと、分離してしまうので少しずつ加えていきます。冷蔵庫から出したての冷たいものはさらに分離しやすいので、事前に常温に出しておきましょう。
  • 粉を入れる前に生地が分離してしまったら、少し湯煎にかけるか、分量内の薄力粉を大さじ1ほど加えて混ぜると滑らかな状態になります。
  • ふわっとした食感がお好きな方は、このレシピにベーキングパウダー3gを追加して作ってみてください。
  • 金柑のコンポートは、紅茶に入れたり、ヨーグルトやトーストにのせて食べても美味しいです。おすすめはlinkteaのジンジャーティーに加えたアレンジ。風邪の引き始めや、身体が冷えている時に飲むと身体が温まりますよ。

 

旬のフルーツと紅茶のお菓子で新年を祝おう

金柑はおせち料理にも使われる縁起の良い食材で、「金冠(きんかん)」という字があてられることから富に恵まれるという意味が込められています。

お正月に食べることで、その一年の金運や豊かさを呼び込むとされ、昔から新年には欠かせない食べ物とされてきました。

おせち料理には甘露煮が一般的ですが、ほのかな苦みと爽やかな香りが楽しめるフレッシュなコンポートもおすすめです。

新年を祝うハレの席で、ぜひ紅茶と共に金柑のパウンドケーキをお楽しみください。