ヨーロッパのクリスマスを彩る「ジンジャーブレッドマンクッキー」
紅茶に合うお菓子は世界中にあります。その中でもイギリス、フランス、ドイツ、北欧で親しまれている、とびきり美味しいスイーツをご紹介します。
第7回目は、ヨーロッパのクリスマスに欠かせないお菓子「ジンジャーブレッドマンクッキー」です。
クッキー生地を人型に抜いた見た目にも可愛らしいクッキーは、そのまま食べるのはもちろん、クリスマスツリーの装飾にも使われています。
長い間人々に愛されてきたその歴史や由来にも触れながら、今年のクリスマスはジンジャーブレッドマンクッキー作りにチャレンジしませんか?
ジンジャーブレッドマンクッキーとは
クリスマスによく目にする人の形をしたこのクッキーは、名前にも使われている通りショウガを使った伝統的なクッキーのことを指します。
人型をしたものをジンジャーブレッドマンクッキーと呼びますが、それ以外にもジンジャービスケット、ジンジャースナップ、ジンジャーブレッドなど様々な呼び名があります。
クッキー生地にはショウガの他に、シナモンパウダーやナツメグ、カルダモンなどのスパイスを加えることもあり、レシピはその作る家庭によって変化します。
スパイスを加えることでお菓子の日持ちも長くなりますが、強い香りのスパイスは魔よけの意味もあるため、家族の無病息災を願いクリスマスツリーに飾るようになったとも言われています。
なぜ人の形をしているの?
ジンジャークッキーの起源は900年代ともいわれ、とても歴史の長いお菓子ですが、定番の人形が誕生したのは16世紀頃といわれています。
その頃ヨーロッパではペストという疫病が流行っており、その予防にショウガが効果的と知り、国王のヘンリー8世はショウガを食べることを国民に広めました。
その時に誕生したのが人形のジンジャークッキーで、国王ヘンリー8世をモチーフにして作られたという説があります。
疫病をすくった国王がモデルになったなんて、とても素敵な話ですね。
国によって違うジンジャークッキー
ジンジャークッキーは世界中で作られていて、それぞれの国によって見た目や材料にも違いがあります。
ヨーロッパでは先程ご紹介したように、スパイスが効いていてうすいクッキーが主流です。
一方アメリカのジンジャークッキーは、厚みがあり丸い形で表面がひび割れているのが特徴です。
クッキー生地にはキャラメルやクリームが入っているものもあり、ヨーロッパのシンプルなジンジャークッキーとはまったく違うタイプですね。
アメリカタイプのジンジャークッキーはコーヒーと相性が良さそうで、ヨーロッパタイプのジンジャークッキーには紅茶が合いそうです。
おうちで簡単!ジンジャーブレッドマンクッキー:レシピ
ショウガのピリッとした風味とシナモンの甘い香りが漂う味わい深いクッキー。サクッと軽い食感なので、ついつい手が止まらない美味しさです。
焼きっぱなしでも可愛いですが、アイシングでデコレーションしても楽しいですね!固めに焼いてクリスマスツリーのオーナメントに飾っても素敵です。
材料
[クッキー型約40枚分]
- 無塩バター/70g
- 卵黄/1個分
- はちみつ/50g
- 薄力粉/150g
- ジンジャーパウダー/1g
- シナモンパウダー/2g
<アイシング>
- 粉糖/100g
- 卵白/15g
- 水/適宜
作り方
▶下準備
- バターは常温に出して、柔らかくしておく
- 薄力粉、ジンジャーパウダー、シナモンパウダーは合わせてふるっておく
- ボウルに無塩バターを入れて、ゴムベラでなめらかにする。泡立て器に持ち替えて、卵黄とはちみつを加えてよく混ぜる。
- ふるった粉類を加えてゴムベラで切るようにまぜる。全体が混ざってきたら、生地をボウルの底に押しつけるようにして全体をまとめる。粉気がなくなってきたらひとまとめにして、ラップに包み冷蔵庫で2時間以上休ませる。
- 作業台にラップを敷いて生地を置き、その上にもラップを広げてめん棒でのばす。5mm位の厚さになったら、クッキー型で抜いてクッキングシートを敷いた天板に並べる。
- 170℃に予熱したオーブンに入れ、10~12分程焼成する。きれいな焼き色がついたらオーブンから出して、ケーキクーラーなどにのせて冷ます。
- お好みでアイシングやチョコペンでデコレーションして出来上がり。
<アイシングの作り方>
粉糖に溶いた卵白を加え混ぜる。書きやすい固さになるように、少しずつ水を加えて調節する。
POINT
- クッキー生地を混ぜる時は、練らないように気をつけましょう。
- 茶色いクッキーを作りたい時は、薄力粉140g、ココアパウダー10gに変更してください。
- スパイスはナツメグパウダーやカルダモンパウダーなど、お好みのものでアレンジ可能です。
- オーナメントの飾りにする場合は、焼成前に竹串等で紐を通す穴を開けておきましょう。
ジンジャーブレッドマンクッキーに合うおすすめ紅茶3選
スパイスの効いたジンジャーブレッドマンクッキーは、紅茶との相性もぴったりです。どんな紅茶とも合いますが、特におすすめの組み合わせを3選ご紹介します。
アッサム
アッサムはインド最大の紅茶産地として世界的にも有名です。透明感のある濃い赤褐色の水色で、芳醇で豊かな香り、甘みを感じさせる濃厚で力強い味わいが特徴です。
飲みごたえのある紅茶は、香辛料を使ったお菓子や料理とも良く合い、お互いの美味しさを引き立てます。
特に焼き菓子には、たっぷりのミルクをいれた温かいミルクティーがおすすめ。寒い季節のティータイムにぴったりですね。
ディンブラ
紅茶の中でも、もっとも「紅茶らしい」特徴をもつディンブラ。セイロン紅茶特有の明るく澄んだオレンジ鮮紅色が美しいです。
適度な渋みと心地よい刺激、かつマイルドな口当たりと優雅なフレーバーが特徴で、バランスのとれた味わいが楽しめます。
どんなお菓子とも合うので、個性的なジンジャークッキーとの組み合わせもおすすめです。どんな紅茶を合わせよう?と迷ったら、ディンブラを選ぶと間違いないでしょう。
キャンディ
スリランカ紅茶の生みの親といわれる、J・テーラーが最初に茶園を開いた歴史ある産地。スリランカでは中地産紅茶に分類されます。
鮮やかな紅色の水色、セイロン特有の芳醇な香気とくせのないすっきりとした味わいが特徴です。
良い意味で他の味の邪魔をしないので、ジンジャークッキーのスパイシーさ食感が際立ち、美味しさを引き立ててくれます。お菓子を主役にしたい時におすすめの組み合わせです。
手作りクッキーでクリスマススイーツを楽しもう♪
クリスマスになるとちらほら見かける人型のクッキー。実はヨーロッパでは、長い歴史のある伝統菓子だったんですね。
ショウガは風邪予防や身体を温める効果もあるので、寒い季節特におすすめの食材です。
可愛いクッキー型で色々なアレンジを楽しみながら、ぜひジンジャーブレッドマンクッキー作りにチャレンジしてみてください。