甘くてホロホロイギリスのスイートな定番菓子「ファッジ」
紅茶に合うお菓子は世界中にあります。その中でもイギリス、フランス、ドイツ、北欧で親しまれている、とびきり美味しいスイーツをご紹介します。
第9回目は、イギリスの定番菓子「ファッジ」です。日本ではファッジと聞いてもあまりピンときませんが、イギリスでは専門店もあるほど人々に親しまれています。
濃厚な甘さとホロリと崩れるような食感が特徴で、英国のティータイムには欠かせない存在です。そんな本場イギリス菓子ファッジについて特徴やレシピなどをご紹介します!
ファッジってどんなお菓子?
ファッジとは、砂糖、バター、牛乳(または練乳)を原材料にして作るキャンディの一種です。
ほろっとした軽い口どけとキャラメルのような濃厚な甘さが特徴で、一度食べたらクセになる海外らしい味わいです。
定番の味から、チョコレート、マシュマロ、ドライフルーツなど、そのバリエーションや食感も様々。専門店ではカラフルなファッジが並び、見ているだけでも楽しくなります。
もともとはイギリスの伝統菓子ですが、アメリカやカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどでも人気があり、ポピュラーなお菓子のひとつになっています。
ハリーポッターの物語の中にも登場したことから、日本でも知名度が上がりましたね。小説や映画を見た方は「あのお菓子か!」と気づかれた方も多いのではないでしょうか?
材料もシンプルで作り方も簡単!紅茶とも相性抜群のファッジは、まさにイギリスの日常生活に欠かせないお菓子です。
ファッジとキャラメルの違いとは
ファッジは見た目や味がキャラメルに似ているため、同じお菓子と思われがちですが食べてみるとその違いは一目瞭然。
まずファッジの一番の特徴である食感ですが、キャラメルのような歯に付く粘りはなく、口の中にいれるとほろっと溶けてしまいます。
「世界一甘いお菓子」といわれるほど濃厚な甘さのファッジですが、不思議とひとつ、もうひとつ・・と手が伸びてしまうのは、口の中ですっと消えてしまうこの口どけの良さが理由にあると思います。
また材料の違いについても、キャラメルは砂糖、牛乳を使ってつくりますが、ファッジはさらにバターが加わります。
煮つめ温度もキャラメルよりもファッジの方が低いため、あのほろっと崩れるような特徴的な食感が生まれます。
イギリスにはファッジのようなお菓子がたくさんありますが、食感や味が異なり、それぞれの美味しさが楽しめます。もちろんどれも紅茶との相性抜群ですよ!
濃厚な甘さが染みる基本のミルクファッジ:レシピ
まずは基本のミルクファッジにチャレンジしましょう。生地が焦げないよう、たえず混ぜ続けるのがファッジ成功の秘訣です。
お好みで刻んだクルミや、アーモンドなどを加えると食感も楽しくなります。可愛くラッピングして、プレゼントにもおすすめです。
材料
- 無塩バター/70g
- 牛乳/200㏄
- 砂糖/200g
- (お好みでナッツやマシュマロなど/適宜)
作り方
- バットやタッパーにクッキングシートを敷いておく。
- 鍋に無塩バターと牛乳を入れて火にかける。バターが溶けたら砂糖を加えて、吹きこぼれないようにたえずかき混ぜて煮詰める。(15分くらい)
- 練乳のようなクリーム状になってきたら弱火にして、さらに混ぜ続ける。木べらで生地を混ぜた時に、しっかり鍋底が見えるくらい濃度が高くなったら火をとめる。(温度計で116℃になっていればOK)
- しばらく混ぜ続け、生地につやがなくなって全体が硬くなってきたら、①の容器に入れて表面を平らにする。
- そのまま常温に20分位置いておくと生地が固まるので、好みの大きさにカットする。(手で割っても可愛いです)
POINT
- 焦げやすいので、途中で手を止めずしっかり混ぜ続けるのがポイントです。
- 写真のファッジはきび糖を使用しているので、茶色がかった仕上がりになっています。
- ナッツやマシュマロなどを混ぜる時は、④の前に加えましょう。
- ④で砂糖の再結晶化が起き、ファッジ独特のサク、ホロ食感が生まれます。
- ファッジは時間が経つと柔らかさがなくなってしまうため、2〜3日で食べきるのがおすすめです。たくさん作った時や食べきれない時はラップに包み、ジップロックに入れて冷凍庫で保存しましょう。冷凍保存は1ヶ月が目安です。
バリエーションで楽しむ人気のアレンジファッジ
シンプルなファッジも美味しいですが、色々な素材と組み合わせてアレンジが楽しめるのもファッジの良いところ。
基本のファッジが上手に出来たら、ぜひこちらのアレンジファッジも試してみてくださいね。
チョコレートファッジ
チョコレートをたっぷりいれたファッジは、イギリスでも人気の商品。バレンタインに贈るなら、チョコレートファッジがぴったりですね。
基本の材料にチョコレートを加えるだけで簡単に作ることができます。甘さ控えめがお好きな方はビターチョコで作れば、苦味が効いた大人の味になりますよ。
マシュマロとナッツを加えた「ロッキーロード風チョコレートファッジ」もおすすめです。
ドライフルーツファッジ
フルーツの酸味と甘さがファッジとの相性抜群な、ドライフルーツ入りファッジ。
クランベリーやマンゴーなどカラフルなドライフルーツをたっぷり入れるだけで、とびきり可愛いファッジが出来上がります。
容器の底にドライフルーツを散らして生地をのせれば、表面に浮き出てより華やかな仕上がりに。ココナッツやアーモンドなどを加えて、食感を楽しむのも良いですね。
和風ファッジ
イギリスの伝統菓子を日本の味にアレンジ!基本材料に抹茶やきな粉、ほうじ茶パウダーなどを加えるだけで、和風のファッジが出来上がります。
抹茶のほろ苦さやきな粉の香ばしさは、海外のお菓子にはない独特の味わいなので、外国の方へのプレゼントにもおすすめです。
ファッジと紅茶でイギリスのティータイムを楽しもう
イギリスでは一日に何度もティータイムを楽しみますが、その時に欠かせないのがファッジです。
紅茶に砂糖を入れる代わりにファッジをひと口かじっては紅茶を口に運ぶ、そんな風景がイギリスでは日常に見られます。
輸入食料店でもファッジは購入できますが、出来立てのファッジの美味しさは格別ですよ。おうちにある材料で簡単に作れるのも嬉しいですよね。
アレンジ次第で色々な味わいが試せるので、ぜひ好みの素材と合わせてオリジナルのファッジを楽しんでください。